学びの箱庭~塾講師の取組み~

学習塾のオーナー塾長が様々な学びについて綴っていきます

【意味怖読解問題9】一人暮らしを始めました。

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次の文章を読み問いに答えなさい。

 

反対していた両親を押し切って、今日から一人暮らしを始めた私。


一人で起き、朝食を食べ、いくつか生ゴミを出して支度を整えた。


昨日は大変だったけれど、憧れの一人暮らしを実現できたことで私の心は満ち足りていた。


さあ、そろそろ出掛けないと学校に遅刻しちゃう!


『いってき・・・』


と言いかけ、慌てて口をつぐむ。そうだ、もう誰もいないんだった。


鍵を掛けて家をでる。私の門出を祝うかのような青空・・・本当に気持ちがいい。

 

『あっ、おはようございます!!今日はいい天気ですね。』


毎朝花に水をやっている向かいのおばさんを見かけ、挨拶をした。

 

『あら、おはよう。いつも元気ねぇ。気をつけていってらっしゃいね。』

 

『は~い、いってきまーす!』

 

今までとは違う日々が始まる。高まり続ける胸の鼓動を感じながら私は走り出した。

  

 

 

【問】この問題文について先生、あやかさん、さとるくんの三人が話しています。以下の会話文中の《①》《②》に適切な言葉を入れなさい。

 

先生:さとるくん、この話のどこが怖いか分かりますか。

 

さとる:今日から一人暮らしを始めた女の子の話ですよね。進学か就職で親元を離れ、新天地で頑張ろう!という感じかな。

 

あやか:う~ん、それだと特に怖い話ではないわよね。それに、向かいのおばさんが《 ① 》って言っているから、慣れない土地ってわけではなさそうだけど。

 

さとる:ああ、本当だ。向かいのおばさんが毎朝水をやっていることも知っているもんな。引っ越してきたばかりではないということか。

 

あやか:でも、昔から住んでいる場所なら実家ってことでしょ?そうだとすると両親はいないのは変よね。

 

さとる:文中に“今までとは違う日々”とあるから、少なくとも昨日までは両親もこの家にいのだろうけど、それが今朝はいない・・・・。どういうことだろう?

 

あやか:考えられるのは転勤かしら。昨日が両親の出立の日だったとか。

 

先生:なるほど、普通に考えればあやかさんの考えでよさそうですね。でも、これは意味怖問題です。さとる君、“一人で起きて・・”の行を読んで気になるところはありませんか?

 

さとる:ええっと・・・一人で起きて・・・朝食で・・・特におかしなところはないと思いますが。

 

あやか:でも、いくつかの生ゴミ”ってちょっと引っ掛からない?なぜ、わざわざ”生ゴミ”と表現したのかしら。しかも、1つだけじゃなくいくつもあるって・・・』

 

先生:『いいところに気づきましたね!次には“昨日は大変だった”とあります。実際、その日に両親はいなくなった。そして、翌日の生ゴミ。』

 

あやか、さとる:『・・・・・!!もっもしかして!」

 

先生:『そうです。いくつもの生ゴミとは《 ② 》だったんですね。これで一人暮らしが実現したというわけです。どうですか?随分と怖い話になりましたね?』

 

 

※問題は以上です

     

 

 

 

解答・解説

解答

《①》 いつも元気ねぇ

《②》 両親の亡骸

 

解説?

この問題はかなりブラックなネタなので、実は作ったものの塾生には出していません。ただ、私自身はこういうのが嫌いではないです。なお、今回のように問題文が会話形式になっているのは昨今のトレンドです。本文の編集より時間が掛かりました。