学びの箱庭~塾講師の取組み~

学習塾のオーナー塾長が様々な学びについて綴っていきます

【子どもの読解力アップ】もっともアグレッシブな“読み聞かせ”を知るにはこの1冊!

先回、↓のように読み聞かせのまとめ記事をアップしました。

 

www.dokkaiupup.work

 

この記事の中最後で触れた、読み聞かせの新たなムーブメントを知る上で、もっとも適しているのが今回ご紹介するこの1冊。

 


 

 

それではまず、従来の方法との相違点についてお話していきましょう。まず、今までの読み聞かせは、

 

読み手側から余計なアクションは取らない

 

というのがその基本コンセプト。ゆえに、

 

・読むときに抑揚はつけない

・途中で質問などをしない(話を切らない)

・後で感想や意見などを聞かない。

 

など、本の内容をありのままに伝え、子どもの中での熟成をゆっくり見守るというスタンスが求められていました。

 

ところが、ここ10年ぐらいで、もっとアグレッシブな読み聞かせでもいいのではないかという意見が目立つようになりました。特に新しい指導要綱が話題になり始めたぐらいから、さらにこの傾向が強くなってきたと思います。

 

そして、そのような取り組み方法の代表格が先述の1冊にて紹介されている

 

「対話型読み聞かせ(ダイアロジック・リーディング)

 

なのです。

 

この方法は読んで字のごとく、「これは何?」「これはどうしてだと思う?」というように、たくさん質問をしながら読み進めていくというやり方です。

 

 また、単に質問の答えを得るだけでは無く、そこから“制約のない”会話を続けてもよいと著者は述べています。話を進めるより、できるだけ子どもの自由な発想を引き出すことの方が重要という考えです。

 

このように途中で質問や会話を入れていく、つまり、ストーリーの進行を任意に切ってもよいとい考えは従来のそれと比べ、もっとも大きな相違点であり、この1点をしても両者の考え方は相容れないものだと判断してよいと思います。

 

さて、この対話型読み聞かせは子どもからのアウトプットを重視しているため、インプット偏重の教育を是正しようとする昨今の国内のトレンドに合致していると言えます。

 

もともと、欧米では主流といえる方法であり、通訳・翻訳家でアメリカ在住歴の長い著者にとっては、奇抜でも何でも無い当然の読み聞かせ方なのだと思います。

 

とはいえ、この対話型読み聞かせの他にも、この本の内容はかなりアグレッシブ。学習塾の塾長&2児の父である私が見ても

 

ええっ!?本当にこんなにも効果があるかなぁ?

いやぁ・・・ここまで親がやらなきゃダメなの?

 

などと思わず呟いてしまう内容。この気持ち、“4人の子どもを全員東大に合格させた”ママの本を読んだときと同じです。

 

とにかく、どのような読み聞かせがよいか思案中の方には、候補の1つとして一読をお勧めしたい本。もちろん、ここまでできるかどうかは別にしてですけどね。