学びの箱庭~塾講師の取組み~

学習塾のオーナー塾長が様々な学びについて綴っていきます

【子どもの読解力】解の見当がつけられない小学生達

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例えば、小5で習う割合のこんな問題。

 

【問】送られてきたたまごのうち、60個が割れていました。これは、送られてきたたまご全体の5%にあたるそうです。全部で何個のたまごが送られてきたでしょうか。

 

“くらべる量と"割合"から"もとにする量"を求める一般的な問題です。しかし、割合の苦手な子にはここで“×÷問題”が発生します。要するにかけたらよいのか、割ったらいいのか分からないということです。

 

このような問題で最初から割り戻しの作業に入れない場合、それ自体は算数の理解不足が原因と言ってよいでしょう。

 

しかし、もし、この答えを“”と答えて平気な顔をしているならば、算数の理解不足+読解力不足を疑ってよいのかもしれません。

 

このように掛けるのか、割るのかが分からないという状態に陥った場合、ほとんどの小学生はまず“掛ける”を使って問題を解き始めます。理由は掛け算の方が簡単だからです。

 

そして、この問題の場合、掛けた結果は整数のになります。もし、これが小数だとしたら、さすがにおかしいと感じるでしょう。送られてきた卵の数が小数であるとは考えにくいですから。

 

しかし、出てきた答えは整数。これで安心してしまいそのまま解としてしまう子もいるんですね。ですが、問題文さえ理解してれば整数であっても3はおかしいと気づくはずです。

 

そもそも、この問題では文意から60<送られてきた卵という解の見当をたてておかなければなりません。割れた卵が送られてきた個数より多いなんてことはあり得ないのですから。

 

私は塾生に算数(数学)を指導する際、解の見当をつけながら問題文を読むという習慣づけを意識しています。これは算数ではなく読解力の範疇ですが、文章題を解く上では必要な習慣だと考えています。