今回は、小学校算数のラスボス感が漂う割合」の解について、その見当をつけていく問題です。もちろん、割合の理解は必要になりますが、文章を読めば計算する必要がない読解問題となっています。
【問】次の文を読みなさい。
文房具屋を営むAさんはある品物に、仕入れた値段の30%の利益を含めて定価をつけました。この品物を、大売り出しのときに、定価の30%引きでお客さんに売りました。
上記の文に書かれていることが正しいとき、次の文に書かれていることは正しいか。「正しい」、「まちがっている」、「これだけからは判断できない」のうちから答えなさい。
Aさんは、この品物を売って利益を上げることができなかった。
【解答・解説】
正しい
割合の文章題では、”もとにする量”がパートによって変わっていきます。今回の場合、定価(または仕入れに乗せた利益額)を算出するときは、仕入れ値段が”もとにする量”となり、実際の売価(または値引き額)を算出する場合は、定価がその量となります。
今回の場合、利益を乗せた時点でそれぞれの”もとにする量”である仕入れ値段と定価には
定価>仕入れ値段
の関係が成り立ち、割合はいずれも30%と等しいのですから、それぞれの”くらべる量”である仕入れ値に乗せた利益額と値引き額には
値引き額>利益額
が必ず成り立つことになります。よって、Aさんは実際の値段、価格にかかわらず、利益を上げられないことがわかります。もちろん、仕入れ値段を1とおいて
1×1.3×0.7=0.91
というアプローチで解いてもよいです。