学びの箱庭~塾講師の取組み~

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【小学生向けミニ読解力問題18】算数「割合」の見当をつける読解問題。難しいけれど計算は必要ありません。

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今回は、小学校算数のラスボス感が漂う割合」の解について、その見当をつけていく問題です。もちろん、割合の理解は必要になりますが、文章を読めば計算する必要がない読解問題となっています。

 

  【問】次の文を読みなさい。

 

文房具屋を営むAさんはある品物に、仕入れた値段の30%の利益を含めて定価をつけました。この品物を、大売り出しのときに、定価の30%引きでお客さんに売りました。

 

上記の文に書かれていることが正しいとき、次の文に書かれていることは正しいか。「正しい」、「まちがっている」、「これだけからは判断できない」のうちから答えなさい。

 

Aさんは、この品物を売って利益を上げることができなかった。

 

 

 

 

 

【解答・解説】

正しい

 

割合の文章題では、”もとにする量がパートによって変わっていきます。今回の場合、定価(または仕入れに乗せた利益額)を算出するときは、仕入れ値段が”もとにする量となり、実際の売価(または値引き額)を算出する場合は、定価がその量となります。

 

今回の場合、利益を乗せた時点でそれぞれの”もとにする量”である仕入れ値段と定価には

 

定価>仕入れ値段

 

の関係が成り立ち、割合はいずれも30%と等しいのですから、それぞれの”くらべる量”である仕入れ値に乗せた利益額と値引き額には

 

値引き額>利益額

 

が必ず成り立つことになります。よって、Aさんは実際の値段、価格にかかわらず、利益を上げられないことがわかります。もちろん、仕入れ値段を1とおいて

 

1×1.3×0.7=0.91 

 

というアプローチで解いてもよいです。