速読トレーニング用の意味怖文章です。時間を意識して、1文字1文字見るのではなく『文章全体」を見るように読んでください(読解スピードの目安を下記しております)。
【本文を読む前に】
僕達4人が行っていたゲームとは何か。そして、”僕”はなぜこのゲームから脱落してしまったのでしょうか?このあとの本文を繰り返し読みながら答えをみつけてください。
~以下本文~
最初の1人が退場させられると、円卓を囲んでいた彼の椅子もすぐに片付けられ、4人になった僕たちの頭上から、また放送の声が流れた。
『それでは会話を再開して下さい。』
『いつまでこんなことやらせんだよ!』
ひげ面の男がスピーカーを見上げながら叫んだ。
『予定では最後の一人になるまで続けさせていただくつもりです。では、はじめ。』
しばしの沈黙の後、僕の向かいのメガネを掛けた男がようやく言葉を発した。
『めちゃくちゃだ。』
『誰だってそう思いますよ。』
僕は頷いた。
『世の中何が起こるか分からないって言うけど、こんな…。』
右隣に座っていた若い女が爪を噛みながら呟く。
『何も、俺たちじゃなくたって良いだろう?』
またひげ面が叫んだ。
『うるさい!泣き言を言うな!みんなそう思ってんだよ!』
怒りを隠せないメガネが怒鳴り返し、一気に緊迫した空気が辺りを包んだ。
『よっ、よしましょうよ。少し落ち着いてください。』
そんな様子を見て、おどおどしながら女が二人をなだめる。
『イライラもするだろ!こんな事に何の意味があるっていうんだ!』
メガネは頭をかきむしった。 その時、ひげ面が僕を睨(にら)みつけて言った。
『黙ってばかりだな、あんた。何か考えでもあるのか。』
メガネも冷ややかな視線を僕に向けてくる。
『彼は恐らく、余計なことを言わないようにして、私たちが脱落するのを待っているんです。』
三人からからピリピリした気配を感じる。ここは下手に言い訳しない方がいいだろう。
『・・・すいません。』
気づいたのは頭を下げた後だった。 血の気が引いていくのがわかった。 最初の時と同じブザーが部屋に鳴り響く。 奥の扉が開き、黒ずくめの男達がこちらにやってくる。
『い、いや!今のは…。』
僕はスピーカーに向かって叫んだ。 引きずられながら僕が最後に見たのは、他の3人の同情と安堵の入り交じった笑みだった。
~本文終わり~
【読解スピード目安】
※この問題は約760文字です。
小学生高学年レベル 1分32秒
大人レベル 53秒
目標速読レベル 21秒
【問題の答え】
この4人がしていたゲームは『しりとり』です。読み返すと全ての会話がしりとりになっていますが、“俺”の会話が『すいません』の“ん”で終わったので脱落となりました。『ごめんなさい』だったらセーフだったんですけどね!