読解力の箱庭~学習塾塾長の自作問題など~

「意味が分かると怖い話」を元ネタとした読解問題など、学習塾のオーナー塾長が読解力について綴っていきます

【速読トレーニング用意味怖問題➃】残酷な巨人

f:id:imikowadokkai:20210305113115j:plain

  速読トレーニング用の意味怖文章です。時間を意識して、1文字1文字見るのではなく『文章全体」を見るように読んでください(読解スピードの目安を下記しております)。

 

【本文を読む前に】

この話の肝は、”俺”や”巨人”とは一体誰なのかということです。皆さんも必ず知っているその存在。このあとの本文を繰り返し読みながら答えをみつけてください。

 

~以下本文~

 

夜になって、辺りが静寂に包まれた頃、俺はようやく家を出た。昨日も巨人に大切な仲間を奪われたばかりだ。屋外で行動するなら、襲われる危険が少ない夜が一番いい。 

あいつらのやり方は残酷かつ狡猾だ。俺の父さんは、力任せに撲殺された。たった一撃で体は無惨に押しつぶされ、その後はゴミのように捨てられた。妹の場合は毒ガスだった。苦しみ、のたうち回ってすぐに息絶えた。俺はその様子を遠くから見ているしかなかった。食べ物に毒を盛られて死んだ友だって数知れない。巨人のくせに、なぜ毒という姑息な手段を好むのか俺には理解できない。

しかも、あいつらにはある程度の知能がある。俺の幼なじみは3日前、『美味しそうな匂いがする!』と言って空き家に忍び込み、2度と戻ってこなかった。あの家自体があいつらの罠だったのだ。

このように俺たちはいつもやられっぱなしなのだか、不思議なことに奴らの全員が俺達を襲ってくるわけではない。特に女型の巨人は、俺らを見ると奇声を上げて逃げていく者も少なくないのだ。そのような巨人に対しては自慢の羽を使って追いかけていく仲間さえいる。

このように本当に訳の分からない奴らだが、俺は亡くなった家族や友に誓う。いつかあいつらに代わり、この地上を俺たちの楽園にすることを。

   

~本文終わり~

  

【読解スピード目安】

 ※この問題は約520文字です。

小学生高学年レベル 1分07秒

大人レベル 31秒

目標速読レベル 10秒

 

【問題の答え】

『そのような巨人に対しては自慢の羽を使って追いかけていく仲間さえいる。』との一文がありますね。ということは”俺”は人間ではなく、羽がある生き物、つまり虫や鳥であることが分かります。そのような生き物にしてみれば人間は「巨人」。さらに様々な駆除法や女性が逃げていくことを考えると、”俺たち”がゴキブリであることに気づくでしょう。例えば、毒ガスは殺虫剤、罠の家はゴキブリホイホイなどの駆除法を表しています。