古文独特の世界観を現代人ならではのツッコミを入れながら楽しく学んでいきましょう!!
さて、今回の作品は『枕草子(まくらのそうし)』の超有名エピソードである『雪のいと高う降りたるを』です。どうぞお楽しみください!!
【このお話のツッコミポイント】
ドヤ顔じゃん。
『原文』
雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子参りて、炭櫃に火おこして、物語などして集まり候ふに、
と仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾を高く上げ足れば、笑はせ給ふ。人々も
「さることは知り、歌などにさへ歌へど、思ひこそよらざりつれ。なほ、この宮の人にはさべきなめり。」
と言ふ。
『現代語訳』
雪がとても高く降り積もっているのに、いつもと違って御格子を下ろし申し上げて火鉢に火をおこして、(女房たちが)皆で世間話などをして集まってお仕え申し上げていると、
とおっしゃるので、(人に命じて)御格子を上げさせて、(私は)御簾を高く上げたところ、(中宮定子様が)お笑いになる。仲間の女房たちも
「そのようなことは知っており、歌などにまで歌うけれど、思いもよらなかった。(あなたは)やはり、この中宮様にお仕えする人としては、ふさわしい人のようです。」
と言う。
『ツッコミ解説』
冒頭のツッコミを見て、コイツ浅いなぁ~と思った方もいるでしょう。
もちろんね、これが(清少納言が抱く)中宮定子へのリスペクトに溢れるお話なんてことは百も承知なんですよ。
ただ、塾講師としてはやっぱり、教材や演習問題として対峙する学生側に立ってこの話を考えたいんですよね。
特に中学生は枕草子のコンセプトから時代背景、中宮定子と清少納言の深い絆なんてものを知らない子も多いわけで、そんな子にとって清少納言は
四季にイイね!している昔の人
ぐらいの印象しかないんですよ。
そのような状況でこの話を読めば、「少納言、ドヤ顔じゃん!」てな解釈も無理からぬことだと思うし、実際、少納言自身に自慢する気が全く無かったとも思えない。
この話は古文の読解において、時代背景などの理解を深めることも重要だという好例だと思いますね。