学びの箱庭~塾講師の取組み~

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【意味怖読解問題6】サバイバルゲーム

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次の文章を読み、問いに答えなさい。※解答・解説は下部

 

最初の1人が退場させられると、円卓を囲んでいた彼の椅子もすぐに片付けられ、4人になった僕たちの頭上から、また放送の声が流れた。


『それでは会話を再開して下さい。』


『いつまでこんなことやらせんだよ!』


ひげ面の男がスピーカーを見上げながら叫んだ。


『予定では最後の一人になるまで続けさせていただくつもりです。では、はじめ。』


しばしの沈黙の後、僕の向かいのメガネを掛けた男がようやく言葉を発した。


『めちゃくちゃだ。』


『誰だってそう思いますよ。』


僕は頷いた。


『世の中何が起こるか分からないって言うけど、こんな…。』


右隣に座っていた若い女が爪を噛みながら呟く。


『何も、俺たちじゃなくたって良いだろう?』


またひげ面が叫んだ。


『うるさい!泣き言を言うな!みんなそう思ってんだよ!』

 

怒りを隠せないメガネが怒鳴り返し、一気に緊迫した空気が辺りを包んだ。


『よっ、よしましょうよ。少し落ち着いてください。』 


そんな様子を見て、おどおどしながら女が二人をなだめる。


『イライラもするだろ!こんな事に何の意味があるっていうんだ!』


メガネは頭をかきむしった。 その時、ひげ面が僕を睨(にら)みつけて言った。


『黙ってばかりだな、あんた。何か考えでもあるのか。』


メガネも冷ややかな視線を僕に向けてくる。


『彼は恐らく、余計なことを言わないようにして、私たちが脱落するのを待っているんです。』


三人からからピリピリした気配を感じる。ここは下手に言い訳しない方がいいだろう。


『・・・すいません。』

 

気づいたのは頭を下げた後だった。 血の気が引いていくのがわかった。 最初の時と同じブザーが部屋に鳴り響く。 奥の扉が開き、黒ずくめの男達がこちらにやってくる。


『い、いや!今のは…。』


僕はスピーカーに向かって叫んだ。 引きずられながら僕が最後に見たのは、他の3人の同情と安堵の入り交じった笑みだった。

 

  


【問】下線部②「すいません。」で「僕」はゲームに負けてしまいましたが、このゲームについて話しているAさんとBさんの会話を読み、【 】の中に適切な言葉を入れなさい。

 

A 「これは、誰もが一度はやったことのある遊びだよね。」
B 「私も小さい頃よくやったよ。道具も要らないし、簡単にできるからね。」
A 「この遊びは普通、単語でするんだけど、ここでは会話でやっているんだね。」
B 「そう、読み返すとスピーカーの会話もしっかりルールを守っている。」
A 「確かに、“すいません。”で止めてしまうと負けだな。」
B 「うん、【          】ならセーフだったけどね。」

 

 

※問題は以上です。

 

 

 

 

解答・解説

解答

(例)すいませんでした

 

解説

この4人がしていたゲームは『しりとり』です。読み返すと全ての会話がしりとりになっていますが、“俺”の会話が“ん”で終わったので脱落となりました。よって、答えは会話の流れからみて自然であり、『す』から始まって『ん』で終わらない内容ならば正解となります。