古文独特の世界観を現代人ならではのツッコミを入れながら楽しく学んでいきましょう!!
さて、今回の作品は古今著聞集(巻第十六)より『信安といふものありけり』です。どうぞお楽しみください!
【このお話のツッコミポイント】
”をかし”くないんだよなぁ・・・
『原文(入試用問題文)』
信安といふものありけり。世の中に強盗はやりたりけるころ、もし家(や)さがさるる事もぞあるとて、強盗をすべからむ料(れう)に、日暮るれば、家の外に小竹を多く散らし置きて、つとめてはとりひそめけり。ある夜、家近く、焼亡のありけるに、あわてまどひて出(い)づとて、その小竹にすべりて、まろびにけり。腰を打ち折りて、年の寄りたれば、ゆゆしくわづらひて、日数(ひかず)経てぞからくしてよくなりにける。いたく支度(したく)の勝(すぐ)れたるも、身に引きかづくこそをかしけれ。
『現代語訳』
信安という人がいた。世間に強盗がはびこっているころ、もしや(強盗に入られて)家さがしされる事があるかもしれないといって、強盗をすべらせるために、日が暮れると、家の外に小竹を多く散らして置いて、翌朝はかたづけた。ある夜、家の近くに火事があり、あわてて外へ出ようとして、その小竹にすべって、転んでしまった。腰を打ち骨を折って、年をとっていて、ひどく苦しんで、日数がたってやっとのことでよくなった。あまりに用心して支度しすぎても、逆に我が身にひっかぶるとは滑稽である。
『ツッコミ解説』
古今著聞集は橘成季(たちばなのなりすえ)によって編纂された世俗説話集です。主に平安中期から鎌倉初期までのお話が収集されているわけですが、この時期、とにかく強盗が怖すぎるんです。
↓この時代の強盗のお話↓
ですから、このような強盗への対策も用心し過ぎるぐらいでちょうどいいのではと思います。
また、火事についても現代と比べれば危険が大きく、あっという間に延焼して大火になることもあるわけですから、慌てるのも無理からぬことです。
そんな信安さんのことを自分でひっかぶるとかマジウケルwww的に話を締めるのは何となく違和感を覚えるのですが皆さんはいかがでしょうか。
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